IMG 3497JPG 1春一番が吹いた2月15日(木)に涅槃会が行われました。昨年の春一番は3月1日でしたので、今年は昨年よりも14日も早く吹いたことになります。因みに、昨年は一昨年より4日早く春一番が吹きました。地球温暖化の影響で春一番の吹く日が年々早くなっており、桜の開花も年々早くなり、もう一ヶ月もすると桜の開花宣言が発表されるかもしれません。


さて、今年も本堂の右側に大きな涅槃図が掛けられていました。この涅槃図は江戸時代の正徳五年(1715)に制作されたもので、柏市では最古で最大となるものです。

お釈迦様は2月15日にお亡くなりになられましたが、その時の様子を描いたものが涅槃図です。中央には右手を枕に横たわるお釈迦さまが描かれ、まわりにはお釈迦さまの入滅を悲しむ人間や動物や植物(沙羅双樹)が描かれています。また図の右上にはお母さんの摩耶夫人がお釈迦さまに長寿の薬を届けようと雲に乗って駆けつけて来る様子が描かれています。

摩耶夫人はこのままだと間に合わないと思い、薬の入った赤い袋をお釈迦さまの方に投げ飛ばしましたが、途中、木の枝に引っかかってしまい、むなしくもお釈迦さまには届きませんでした。お釈迦さまに届かなかった赤い袋は、お釈迦さまの枕もとの木の上の方に描かれています。因みに「投薬」という言葉はこの故事から来ていると言われています。
ただ赤い袋については別の説もあります。この袋の中にはお釈迦さまの応量器が入っていて、一緒に描かれている錫杖とともに、お釈迦さまは最晩年まで質素な生活を送ったということをあらわしているというのです。生活道具を包んだ袋が枝に掛けられたままということは、ここで遊行生活に終止符をうちましたよ、ということを意味しています。

 

IMG 3503JPG 1午後2時に七下鐘が打たれ、明石方丈様を導師とする一行が入堂しました。導師は釈尊への報恩の香語を読み上げられ、ついで普同三拝した後、全員で『般若心経』一巻を諷誦し、『舎利礼文』をお唱えしながら、全員ご焼香をし、お釈迦さまを偲びました。

 

読経の後、明石方丈様から「平凡を非凡につとめる」というタイトルのご法話を拝聴いたしました。
イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんは社員に掃除の徹底を勧めることにより、社内環境は良くなり、社風は優しくなり、その結果、社業も発展して自動車用品販売業界の第2位となりました。
鍵山さんの掃除哲学は『典座教訓』の三心(喜心・老心・大心)にも通ずるものであり、掃除という平凡なことを手を抜かずにやる、実践の徹底という小さな生き方、これが非凡なことになるのだというおしえでした。