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 さすがに立冬も過ぎると、乾いた北風が冷たい空気をどんどん列島に運び込むせいか、朝晩の冷え込みも日を追うごとに厳しくなっていくように感じられます。本日は、早朝の通り雨が地面を湿らせた後も、太陽を覆う雲が居座り続けたこともあり、あいにくの空模様の天気となりましたが、毎月恒例の月例坐禅会は常の如くに行いました。 

 

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  脚を組んで欠気一息(かんきいっそく)し、手指を結んで心を落ち着かせると、やはり思ってしまうのが「暑いよりかはよっぽどいい」という感想になります。そして、こうような思いが去来するのは<煩悩のなせる業か>、などと考えながら坐っているのは、おそらく私だけではないでしょう。 
 坐禅後は、本日で11回目となる『禮拜得髄』の巻の講義が行われました。今回も、先月及び先々月の講義の続きとなる話しになります。講義の中で方丈は、佛道と向き合い、そこから道を踏み外さないためには、「広い世界に出て感受性を高め、人と接して様々な経験を積んで、それを周囲に還元すること」が必要であるとし、そのためには現状に満足することなく、進み続けなければならないと話されました。道元禅師は、佛道のことを「學道」とも述べておられます。この『學』の字は、一番下に「子」があって、「ワ」の中に入っています。これは子供が家の中に閉じこもっている様子を示しているといわれています。そしてその上に「臼」のような形があって、その中央に×印が入っていますが、これは大人が両手を使って子どもを家の中から外の世界へと引っ張り上げようとしている指の形だといわれています。つまり「学び」への第一歩は広い世界に出ることを示しているわけです。そして外の世界に出たならば、進み続けることが重要となります。なぜなら現状維持は退歩と同じなのだから、というようなことについての話しをされました。
 講義後は、茶話会を行い、連絡事項等を伝達した後、散会となりました。

 

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