梅雨入りをしてからというもの、まとまった雨は全然なく、反対に肌を刺すような日差しが照り付け、まるで真夏のような日が続くこの日、月例の坐禅会が行われました。
前月の坐禅会では、ホトトギスのさえずり声がにぎやかに聴こえてきましたが、本日は暑さで元気がないのか鳥達は鳴りを潜め、代わりに風によって擦れる木々の音が静寂の坐禅堂に伝わって来ます。そういった自然の声も、耳を澄まして心静かに聴けば、心のざわつきを鎮めるはたらきのあるものとして尊くも感じられます。まさに「すなわちこれ広長舌(佛さまのお説法)」と感ぜずにはいられません。
坐禅後は、本日で6回目となる『禮拜得髄』の巻の講義が行われました。講義前には、参禅会会員の髙間治基さまから尺八の演奏を奉納していただきました。
本日の講義は、画一的な考えでもって物事を捉えてはいけない、という箇所の総括となる話しで、前月に引き続き「多様性を受け入れることの重要性」について講義をされました。その中で方丈は、アイルランドの『ジャガイモ飢饉』を例に話しを進められました。これは、多様性を無視して「特定の品種のジャガイモのみ」を栽培し続けたことによって起こった歴史上の悲劇で、「多様性の重要性」「個性の重要性」を繰り返し述べられました。
講義後は、茶話会を行い、連絡事項等を伝達し、無事散会という運びとなりました。